出陣先、三日月宗近の目の前で消えてしまった山姥切国広を探して、2012年の時代へ。そこでは歴史を揺るがす、大きな事態が待ち受けていた…
今更ながら観たんですけど、お話としては個人的に結構な肩透かし。前作とはかなり毛色を変えちゃったな、というのが正直な印象。まぁ前作の出来が完璧過ぎたので、下手に同じ路線で行くよりはガラッと趣向を変えた方が、って発想自体はアリだと思うんですけど…
でもそのわりに前作を意識したシーンがちょこちょこ挟まってるのは、中途半端な感じも。
とりあえず、歴史モノや伝奇モノの要素は薄いですね。平安時代のシーンはほぼ話のフックになってるだけというか。
（ちょい役程度の出番の歴史人物に、えらく贅沢なキャスティング。特に道長さん、すごく良いキャラだった…）
鬼退治の逸話を持つ刀が出てきますけど、こちらも「相手が鬼ならば」以上の意味合いは無かったというか…
この辺りの勿体無さが、自分が肩透かしに感じた要因ですかね。
ストーリー的には、三日月の仮の主人である琴音と、酒呑童子の依代となる伊吹という若い2人にスポットが当たっていて、比較的若い年代をターゲットにした作品なのかな？という印象も。
時間遡行軍の狙いどころは、さすがにツボを押さえてて面白かったです。あまり現代がターゲットにされない理由も納得。それにしても前作といい、映画の時間遡行軍は直接的で殺意マシマシだな…？
まぁあれこれ不満は書きましたけど、特撮にしろキャスティングにしろ、歴史人物や現代人のキャラ描写などはしっかりしていて、作品の出来自体は良かったと思います。
仮の主たちも、琴音以外の見せ場は少なかったけど皆んな絶妙な存在感が。特にギャル審神者さん、可愛いし良い子で推せる。
あとはなんだかんだ言っても、男士たちの描写が良ければ全て良しってのはありますね。そういう意味では100点の内容だったかも。
殺陣のカメラワークや見せ方は前作の方が凝ってた気はしますけど、今回はどストレートに見せてきた感じ。もちろん最高に格好良いです。
長谷部は別本丸の長谷部という事もあってか、前作とはガラッと違う立ち回り。役者さんとしてはそれくらい出来て当たり前なのかも知れないけど、そこで個体差を出してくるの、素人目にはホントすげぇな、のひと言。
あ、あと長谷部の尻は多分無事←言い方
高速バスでの道中、襲撃を受けましたもんね。あの後別のバスに乗ってる可能性もありますけど。
刀ステと別本丸とはいえ、ひろちかさんと梅津長義の並びが見られるのも燃えますね。刀ステじゃ入れ替わりでしたもんね。
長義のソツの無さとか、良い意味で誇り高そうなところ良かったですね。各務さんとの最後のやりとりとか。
三日月さんはとんでもないフリーダムじじぃ。うん知ってた。でもさすがに、勝手にラテのお代わりするのはおやめなさい？
あとあのウインクは何ですか？はっ、无伝で信繁に成りすました大千鳥のやってた、人の知覚を惑わす技って要はそういう事…？もしかしてみほとせも…？大倶利伽羅もバチコーン出来たりするの…？←
まんばちゃんは出番少なめだったけど、最後の締めが最高。前作と同じ本丸かは分からないけど、似た雰囲気のクール系まんばちゃん。
源氏兄弟、刀ミュ兄者が好き過ぎて受け入れられるか心配だったけど… 武闘派寄り兄者もたまらんかったです←チョロい
一番テンション上がったのはやっぱり、最後の男士ラッシュですかね。
「俺みたいのが突然来て、驚いたか？」驚いたよ！染鶴さん！
様々な本丸から、総勢20振りの援軍が登場ですよ。キャストさんは主に刀ステのキャストさんで、倶利伽羅江（！）と鴬丸は、前作のキャストさん。そしてまさかの、崎山さん石切丸まで…！いやこれ、変な声出ますわ。
…せっかく染鶴健鶴2振りを出したんだから、来鶴さんも呼んで欲しかったな？←強欲
パンフのオフショットを見る限り、染鶴さん清光くん不動ちゃんはスタジオ撮りで登場シーンのみ、あとは全員ロケに参加、アクション有りって感じですかね。
このオフショットも何気に破壊力高くって、2.5次元勢はパンフ必見。
最後の力技で押し切られた感はありますけど、満足の内容でした。
小説版をざっくりとチェック。セリフはほぼ映画のまんま？で、大きな加筆は無し。細かい補足がある程度ですね。気付いた点を適当に列挙。
・鬼=まつろわぬもの
「鬼」と呼ばれる集団と、「鬼退治」の事情についての補足あり。
・時間遡行軍の名前
パンフレットには記載がありましたけど、小説では風貌以外については特に言及無し。
・三日月のウインク
…の描写はさすがに無かったｗ まぁ脚本でも特に指示されてなかったそうなので、そりゃそうかな、と。
・北野天満宮
「みんな、映像だけで分かるじゃろ？」と言わんばかりだった北野天満宮。小説ではさすがに明記しないと分かんないですもんね、しっかり明記されてました。
・黒田実弦
メインの登場人物たちの名前、全員初登場にフルネームで書かれてるんですけど、ギャル審神者の実弦だけは、お別れのシーンまで名字を伏せたまんま。
ちなみにバスでのシーンは実弦が引用した水五則の説明と、それに反応する長谷部の描写も有り。
・琴音と伊吹の年齢
パンフでは明記されてましたけど、小説ではそれぞれ「高校二年生」「十七、八ばかりに見える」程度の表記。
SNSで指摘されてるのを見ましたけど、確かにこの点はもっと分かりやすくして良かった気が。特に伊吹。
・刀剣男士、大集合
鶴丸国永、加州清光、不動行光の顕現シーンはもちろん、渋谷に集合した男士たちの戦闘描写やセリフもばっちし描かれてます。
ちなみに電子版でチェックしてます。テキストではなく画像データなので、レイアウトや意匠は紙と同様なんでしょうけど、プラットホームによってはマーカー機能などが使えないかも。
余談ですが紀伊國屋のKinoppyはマーカー機能有り。テキストの認識などはしてくれませんけど、コメントの追記は可能です。
