シネマ歌舞伎「刀剣乱舞」

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シネマ歌舞伎「刀剣乱舞」

シネマ歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)」を観に行った。
「横浜ブルク13」にて。

刀を擬人化したゲーム「刀剣乱舞ONLINE」(DMMゲームズとニトロプラスが共同製作)を原案とした新作歌舞伎の舞台映像を映画館で上映するもの。
剣豪将軍と言われた室町幕府13代将軍足利義輝の時代の「永禄の変」を題材とする。

生の歌舞伎の舞台も友人の代打で観に行っていたが、半年以上ぶりなので結構忘れているところもあり、新鮮に楽しめた。

今回のパンフレット、前の「筋書」より薄めだけど、Q&Aやインタビューでいろいろ解説されているのでおすすめ。使われていた歌舞伎のきまりの形やお約束などの一端もわかる。
でも「ニン」とか「ツケ」とか「大薩摩」とかの用語は調べないとわからなかったよ。

改めて観ても、「刀剣乱舞」としても、歌舞伎としても(多分)十分よくできていると思うので、しばらく映画館で上映した後は、是非円盤を出してほしい。
おもしろいです!

以下、内容に触れるので畳む。

事前にムビチケ(刀剣男士6人と「人間」側の主役?の松永弾正の人の)を買っておいた。
映画館に行く前にオンラインで席を取っておいたが、予告編がすでに始まっているぎりぎりで入場。
スマホにアプリをダウンロードしておけばイヤホンガイドが聞けたようだが、ちょっと時間がなかったな。というか連れはともかく、私はイヤホン持っていってなかったわ。

上映2日目の土曜日の昼だったが、半分弱ぐらいの入りだったか。すでに上演済の演目を上映する「シネマ歌舞伎」ではこんなもの?
舞台時と同様、途中で休憩が入った。全部で3時間だもんね。

舞台時の拍手や笑い声なんかも収録されていた。私が舞台で観たときは屋号が叫ぶ方はいなかったと思ったけど、それもあった。
だけど私が観たのって千秋楽の日の昼公演だったはずだから、そのときでも屋号叫ぶ人がいなかったということは、もしかして拍手や笑い声なんかとともに後で入れたのかも。それとも屋号叫ぶのは千秋楽の大トリのときだけなのかな?(歌舞伎の作法はわからん…)

とはいえ、生の舞台では見得を切ったときに拍手したりするし、コメディタッチのところは笑ってもいいようなので、「シネマ歌舞伎」は全回「応援上映」にしても良いのでは。まあ演者の方々にその声援は届かないのだけど。
前半の終わりのところでメタな台詞を吐いて笑わせてくれているけれど、そういうユーモアって歌舞伎ではありなんだね。

細かいところはだいぶ忘れていたけど、今回の印象としては「おー歌舞伎って結構ミュージカルだったな」でした。歌というより踊りかな。

最初にナレーションでゲーム「刀剣乱舞」の設定を説明。これ、舞台で上演前に下がっていた幕に書いてあったやつかな。

最初の鍛刀のシーンで中央に立ってた刀工?の人、誰だった? メインキャストの誰かかも、と思ったけど、歌舞伎の化粧だと顔がわからん…。

向かう時代が説明されるとき「西暦で言うと○○年」と言ってて、まあ和暦のみだと観客にわかりにくいからな…と思ってたけど、よく考えたら審神者も刀剣男士も2205年の人だから西暦普通に知ってるよね、多分。

三日月がちゃんと主人公なんだよね。そして今までのアニメや舞台などの「二次創作」で、いちばん感情的な揺れが見られる三日月なんだよね。
三日月は足利義輝に何度も「私の家来にならないか」みたいな勧誘されるし、妹の紅梅姫に思いを寄せられられたりするし、義輝きょうだいにモテモテだよね。
義輝は本当はもう「主」だったんだけど、「未来世から来た」ことは明かしても、自分は「刀剣」でその差してる刀が私です、は言わないんだよね。

小狐丸、片腕や胸を覆う黒い網状の下衣を来てるんだけど、歌舞伎って肌はあまり出してはいけないんだっけ。

一振りだけ時代が違う同田貫、改めて飄々とした「若さ」が良かったな。

髭切と膝丸は、セット感や定番の弟の名前を忘れちゃうところもやってくれて笑いも取る。髭切は可愛い見かけだけど、逸って敵を斬ろうとする膝丸を押しとどめたりして、ちゃんとお兄ちゃん感も出してる。これは曽我兄弟を思わせるものらしい。
殺陣のシーンで同じ柄の模様の着物になるのは「極」っぽい演出?

小烏丸は演者の人は刀剣男士の役の人の中では最年長ということもあるけど、「刀剣の父」らしい重みのある演技。途中ちょっと煽られたりもするけど。女方っぽいところもあるし、調伏の役もする。

あれ、紅梅姫って架空の人物かと思ってたんだけど、実在の人物だったのかな? パンフのQ&Aに「その後」のことが書いてあるけど、スタッフの認識としてのあの物語のその後は、てことではなく? 調べたら確かに妹はいるみたいだな。

松永弾正は「悪役」のイメージがあるのか。「悪人と思われていた人が実は善人」というのは古典歌舞伎でもよく使われるらしいが、大河ドラマ「麒麟が来る」もそうだったよね。

そう言えばこの話の「真の敵」である異界の翁・嫗(あ、前の筋書では「媼」だったんだけど)は、「戦乱の世で命を落とした名もなき人々の恨み」が人の形をとったものという設定だそうだ。そういえばそんなようなことを言っていたが、前に観たときは聞き逃したな。
嫗の武器はオリジナルだけど古典もので使われる晒を元にしたとか。
二人の着物の文様が怪しい感じを思わせる蜘蛛の巣なのは、上村松園の絵「焔」かららしい。この絵は知ってるぞー。

時間遡行軍の役の人たちはは松永の軍勢の兵士の役もやったりして忙しいんだけど、短刀や脇差もゲーム通りの姿を再現してくれてるところや、久秀との殺陣でやられる表現のアクションがやっぱりすごくいい。階段で数人が一斉に逆立ちしたりとかもしてた。舞台のカーテンコール時に花道に並んで、遡行軍の姿で一斉に宙返りを決めるところが入ってなくて残念。

激しい戦闘を表す琵琶の演奏、やっぱり素晴らしいね。

義輝の殺陣のシーン、「義輝は床にたくさんの刀を刺しておいて、それを次々に使って戦った」みたいな逸話を使ってるんだよね。で、最後に残した刀「三日月宗近」を使って三日月と戦うと。連れによると、義輝の刀の鐔が三日月の持ってる刀の鐔と同じだったそうだ。
三日月と義輝の一騎打ち、やっぱり刀を交わすことで心を通わせるという演出だったんだな。いやこのシーンの二人、距離近かったね…。

最後、三日月は刀で「刀」と空を斬ってたのか。しまった気づかなかった。円盤で鑑賞するときの確認事項か。

カーテンコールで刀剣男士のところでは各人の近侍曲が使われていたようだけれど、途中でも使われていたところがあったらしい。相変わらず各人の近侍曲ちゃんと覚えていなくてすみません。ごめん、今聞き直してみたけど、小狐丸のしかわからなかったかも。
「SNSでの拡散をお願いします」のボードは映ってなかったな。

三日月の人が「歌舞伎本丸」や「審神者様」って言うときは、三日月宗近というより役者本人が観客にという感じか。
ラストで観客に手を振るところも「中の人」出てる感じだった。

舞台上演の時はクリアファイルや各人のブロマイド、手拭やうちわとかいろいろグッズあったけど、今回はグッズはなし。全部売り切れちゃった?
※京都南座で4/13~5/6の間やる「衣裳展」でグッズ売るようだ(2023.4.12追記)。
シネマ歌舞伎としてのパンフレットはあった。舞台のときに公演プログラムとしての「筋書」は買ってたけど、今度のパンフレットも買った。筋書より薄いけど、筋書には載ってなかった「人間組」の人たちの演じているときの姿が載っていた。新たなQ&Aとかインタビューも入っていて嬉しい。演出の二人のほか、脚本・美術・音楽の人も。音楽の人、「宴奏会」にも参加した人だったようだ。

終わったときは15:00くらいになってたけど、同じフロアの「Ducky Duck キッチン」で昼食。ちょっと並んでたけど割合すぐ入れた。えびとアボカドの明太子クリームのオムライス(+スープ)に苺のショコラタルトとブレンドティー、連れはビーフシチューオムライス(+サラダ)に抹茶モンブラン?にアイスカフェラテ。映画の半券で5%引きになるのはラッキー。

入場者プレゼントがあって、1週目のはシーンのいくつかをフィルムっぽく配置した「フィルム風クリアしおり」だった。私のは膝丸メイン、連れのは髭切メイン。
3週目まで予定あるみたいだけど、2週目はキャラクターカードだー。3週目は何かな? 毎週行くべき?

この記事を書いた人

性別:女性
血液型:O型
自己紹介:
マンガ、アニメ、声優、小説、音楽など基本的オタな物好きなやつです。

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